2012年11月12日月曜日

「ハッピーリタイアメント」

浅田次郎の「ハッピーリタイアメント」を拝読中であるが、これまた秀作である。かたぐるしい表現とくだけた表現が、まるで二重人格者の脳内のように小気味良く入れ替わる。著者が狙ってやっているのは見え見えなのだが、そこに全く嫌味が感じられない。天才ならではの技なのである。この中で、過去に借金を踏み倒し、今は文壇の重鎮という作家が登場するのであるが、きっとこれは浅田巨匠に違いないと、勝手に決めた。

2012年11月10日土曜日

推敲は難儀である

アマゾンでの公開に向けて、二年前の作品を推敲中。今週末で仕上げるつもりだけど、かなり難しそう。

2012年11月4日日曜日

追憶の彼方

すえた臭いの滲みついた薄暗いジム、中綿もすっかり潰れてぺしゃんこになったグローブ。かつて僕は、キックボクシングという狭い世界の中で、貴重な青春の滾りをぶつける若者たちと共にいた。名誉や富とは無縁のマイナーなスポーツ、いや、スポーツという言葉などまるで似合わない、野暮で武骨な殴り合いだ。しかしそこで出会った若者たちはとても青臭く、か弱く、それでいてとても輝いていた。嘘の付けない、世渡りべたの愛すべき仲間たち。僕にしたって、今よりは少しはましだったかもしれない。強くなること、目的はただそれだけの世界で、お互いの魂を雄たけびを上げながらぶつけ合った。もう二度と戻ることのできない、古き良き、無垢な時代の想い出でである。