2012年12月30日日曜日

映画、ワイルド・ワイド・ウエスト 観了

 今から13年前のエンターテイメント大作である。13年という月日が小生の記憶をすっかり奪い去り、まるで初めて観る映画であるかのように新鮮な気持ちで没入することが出来た。
 南北戦争の時代を背景に、少しレトロ風味で味付けをした、ハイテク機器が所狭しと暴れ狂う稚拙とも思えるばかばかしいストーリー。そして生々しい人間の性。それを二人の名優が素敵なドラマに仕立てあげている。
 ウィル・スミスにケヴィン・クライン。観る側の人間の期待を知り尽くした俳優ならではの秀逸な演技、エンターテイメントとは何かを極めたこの二人でこその、名演技である。

 映像も素晴らしい。少し褪せた色使いに写実的なカメラアクション、ギトギトしがちな展開を絶妙に中和し、見る者に不快な重荷を背負わせない。

 刹那も涙もまるでないのだけれど、これもまた、エンターテイメント。

2012年12月26日水曜日

2012年12月25日火曜日

「ハンター」推敲終了、明日公開

ようやく「ハンター」の推敲が終了。朝7時から十時間、昼食もとらずに没頭。以下は紹介文。
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益々広がる貧富の差に、荒廃する社会。そして荒むことを止まない人々の心。何かがおかしい……
世界を覆う暗い闇に果敢に戦いを挑んだのは、その闇を知り尽くした二人の男と一人の女。不老不死の秘薬を巡って繰り広げられる、勇者たちの熱き戦い。
友情が、愛が、そして正義が、私欲と驕りに汚れた闇に向かって炸裂する――。
満を持して世に放つ、著者渾身のハードボイルド大作。
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とにかく、疲れた。貴重な有給休暇を充実した時間に変えることが出来て、至って満足である。



2012年12月22日土曜日

映画 レッド・バロン

 レッド・バロンを観了。未だに感動の余韻が尾を引き摺り、熱い目頭が視界をにじませる。物語の舞台は第一次大戦下のドイツ。主人公はマンフレート・フォン・リヒトホーフェン、若き伝説のパイロットである。
 スポーツの延長線上で始まった彼の空軍人生が、人との出会いを通じながら、そして戦況の悪化に伴い、次第に変貌していく。そこには正義への問いかけ、愛への問いかけ、さらには戦争への問いかけがある。

 終始涙がやまなかった。言葉少なく目で語り合う、古き良き時代の素敵な男たちと女。それを見事に演出する渇いた刹那的な映像。そして心を締め付ける珠玉のメロディー。

 これ程素敵な映画を見たのは久しぶりである。心なしか、昨日より少し優しくなれるような気がする。

映画紹介URL

2012年12月20日木曜日

ハンター(次作)、あらすじ公開

 第二次大戦下のナチスドイツ、暴君ヒトラーの命により極秘に開発された不老不死の秘薬。それは人類の幸福に寄与するどころか、一握りの富裕者たちの欲望を更に増長させ、彼らを頂点とした不平等な階層社会を確立していった。
 それから四十年後の1985年、この日本にも、不老不死の秘薬を開発する一人の天才医学者が現れる。しかしその発明は日の目を見ることなくこの世から抹殺され、世界は益々暗黒の支配に澱んでいった。
 そして現在、その闇に戦いを挑む者がついに現れる。社会の底辺で運命に弄ばれてきた二人の男と一人の女。彼らの熱き魂が、世界を覆う暗い闇に果敢に立ち向かう。

2012年12月16日日曜日

スマホで読書

 先日入手したスマホでスマホでさっそく読書・・・機種はソニエリのSO-02C。2世代前の古いモデルである。バックライトはかなり抑えめ。キンドルアプリで浅田次郎先生の「霞町物語」を開いたことろ。小さな文字の苦手な小生には、文庫本よりも読み易いのだ。


「紙の本の長さ」に対する回答


表題の件に関し、アマゾンより回答がきた。 全く納得出来ない回答である。

『当社のツールで再度確認したところ、ツールで計算された紙の長さが正しくサイトに反映していることを確認いたしました。
 申し訳ござませんが、本の詳細情報の編集ページに表示された紙の長さを変更することはできません。』

そのツールがおかしいのでは、とどうして疑わないのだろうか? 小生はWordのページレイアウトを「40文字x17行」に設定して実際に計測したし、原稿用紙カウンターでも実測したのである。

2012年12月15日土曜日

『聞かせてくれ、命の調べを』 無料キャンペーン

『聞かせてくれ、命の調べを』の無料キャンペーンがアマゾンでスタートしました。本日から2日間です。

アマゾンリンク先

アマゾンでの「ページ数」の表記に関して

アマゾンの「紙の本の長さ: 」に、重大な誤りがありますので以下注意喚起させていただきます。

タイトル                     アマゾンの表記    実際のページ数
トラベラーズ                    34ページ       54ページ
名探偵の事件簿                44ページ        75ページ
聞かせてくれ、命の調べを      176ページ            290ページ
出来損ないの天使                182ページ          300ページ
ワンダーランド                      135ページ         220ページ

尚、実際のページ数は、1ページを40字 x 17行で換算しています。

アマゾンの作品リスト


2012年12月13日木曜日

『聞かせてくれ、命の調べを』の、無料キャンペーンの予告

週末(15日、16日)二日間、『聞かせてくれ、命の調べを』の無料キャンペーンを実施します。是非この機会に。

『ワンダーランド』、無料キャンペーン

小生著作のファンタジー、「ワンダーランド」は、今日明日と2日間、アマゾンで無料キャンペーン中です。この機会にぜひ。

2012年12月10日月曜日

スマホをキャンセルされる

 一昨日注文したスマホ(docomo N-04C MEDIAS ホワイト★白ロム)が、あろうことか先方の都合で一方的にキャンセルされてしまった。どうやら「在庫有り」の表示は偽りだったようである。一方でB-mobilleからは、「12月11日にて従来のDOCOMO回線が停止」との連絡。たちまち窮地に陥った。

 結局、慌てて他のスマホを探す羽目になってしまったのであるが、これがまた苦悩の業なのだ。ことスマホに関して言えば、第3世代までは酷評の嵐で、第4世代(今年の春モデル)になってようやくユーザーからそれなりの評価を勝ち得るようになった。とは言っても、予算の関係上、第4世代にはとても手が出せないし、B-MobileのSIMカードも動作保障をしていない。

 悶絶しながら小生が選んだのが、『SO-02C アクア 携帯電話 白ロム』である。残念ながら予算は当初の1万円から大幅にアップして、¥23,000(送料込)となってしまった。唯一救いは、アマゾンプライムの対象なので明日に発送されると言うことだ。(最後の1点だったらしく、もうアマゾンのリストからは消えてしまった)

 とにかくこれで明後日から、愚輩も晴れてスマホ・ユーザーの仲間入りなのである。

2012年12月9日日曜日

『ハンター』の公開準備を開始

 小生の最高の自信作である『ハンター』の発売準備を始めた。不老不死の秘薬に隠された陰謀と、それに立ち向かう、荒んだ社会の底辺を生きてきた人間たちの熱いドラマだ。いつものことなのだが、表紙を考えている時は最高に幸せなのだ。場合によっては題名も変えようかなと思い悩む至高の夜更けに飲むウィスキーは、また格別である。

2012年12月8日土曜日

貧乏でもスマホ、計画

 これまでガラケーを使用していて何も不便を感じなかったのだが、「もしスマホがあれば何をするかな」などと考えている内に、がぜん欲しくなってきた。そこで昨日、ヨドバシカメラへ見に行ったのだ。大そう驚いた。本体が7万円もするし、定額パケットが毎月五千円以上もするというではないか。取り敢えず一旦は尻尾を巻いて退散したものの、まだ諦めきれない。未練たらたらWebを徘徊しているうちに、とあるサービスが目に付いた。
 日本通信という会社のB-mobileというサービスである。格安で利用可能なSIMカードを提供しているとかで、回線はドコモから借りているらしい。これを利用する為には、別途、白ロムというスマホを買う必要があるという。逆に言えば、格安の白ロムのスマホを買ってネットが楽しめるというわけだ。実際に調べてみると、最新の機能や性能に拘らなければ、安いスマホがゴロゴロしている。
 
 B-mobileと白ロム携帯の組み合わせでの利点は、
1.安い
2.2年といった契約の縛りがない(違約金が発生するのは3か月だけ)

 最初はデータ通信だけのサービスにしようとも考えたが、この際、通話もガラケーから移行することにした。(既存の電話番号を移行するMNPもサポートしている。)
 小生が選んだ機種とサービスは、以下のとおりである。

■スマホ本体:docomo N-04C MEDIAS ホワイト★白ロム
    ¥10,000+¥500(送料)

■SIM:スマホ電話SIM
   月額料金 ¥4,280
   (初期手数料として +¥3,150)

 通信速度は、下り最大14Mbps / 上り最大5.7Mbpsでひと月の利用は2GBまでという制限がある。 (これを超えると、100kbpsに落ちる) ヘビーユーザーでなければ充分だと思う。
 通話に関しては、1,365円の無料通話分を含んでいる。

実際に使えるまでまだ数日かかりそうであるが、今から楽しみなのである。

2012年12月7日金曜日

「ワンダーランド」へ込めた思い

 この作品を書いたのは、たぶん今から二年ほど前だと思う。当時勤めていた会社を後先も考えずに辞め、路地に渦巻く木枯らしを眺めながら妄想に夢を膨らませていた頃である。きっかけは、おそらく自分に対する失望であったに違いない。拝金主義にすっかり染まっていた私は、とても大切なものを捨ててしまっていた。それは、民度である。
 山口県の片田舎で幼少時代を過ごした私は、高度成長の波に浮かれながら、いつしか大切なものを捨ててしまった。結果主義、あるいは即物的な価値観、およそ人を不幸に貶める悪魔の声に心奪われてしまっていたのだ。
 まやかしの社会的地位、搾取の結果でしかない高給、それらを全て捨て去った時、初めてそれに気付いた。そして人間のあるべき本質を描きたいという、内から込み上げる衝動に駆られたのである。
 二年前のこの作品を読んで改めて思うのは、あの時壊れたことは決して無駄ではなかったということである。

2012年12月6日木曜日

雑感

 最近、人に癒されることが多々ある。それはもしかすると、自分が変わったことに起因するのかもしれない。壊れるまで激務をこなしていた頃の自分は、傍から見ても近寄り難く、尖った存在であったに違いない。それが、心を病みしばらく勤め人を辞めて小説を書きまくっている内に、いつしか仕事に対する姿勢が変わった。今の自分にとっての仕事とは、小説を書く環境を得るための道具であり、人間関係を通じて心をより豊かにするための手段でしかない。
 万人を受け入れるごとき隙だらけの姿勢が、相手の優しさを引き出しているのかもしれない。

2012年12月4日火曜日

電子書籍は主役になるのか

 かつてiTunesがCDマーケットを脅かしたように、電子書籍も紙媒体を脅かす存在になるのであろうか?
 普及すると主張するならば、その理由を見つけることはいとも簡単だ。

 1にあげられるのが、インフラの充実。タブレットにスマホ、電子書籍を受け入れるデバイスはこと欠かない。しかも、今現在もその普及速度は衰えることを知らない。その上、重量や体積のかさむ本を持ち歩く必要もなく、しかも、欲した時に瞬時に、所望するタイトルを手に入れることが出来るのだ。

 2に、コストとスピード。出稿から出版に至るまでにかかる費用と時間は、紙媒体に比して劇的に減らすことが可能である。加えて、メンテナンス(改定等)も極めて容易に行うことが可能なのだ。具体的には、修正した電子データをアップロードするだけである。(輪転機を回して製本し、運送屋が配送して回るなどと言う気の遠くなるようなプロセスとは無縁なのだ)

 以上だけを考えれば、普及には何も問題ないように思える。しかし、ことはそう単純ではないようだ。実際、電子書籍が注目されて数年経つが、決して順調に市場を伸ばしているとは言い難い。では、その阻害要因とは何なのだろうか?

 先ず考えられるのが、とっつきにくさ、業界的に言えば、マン・マシン・インタフェースである。電子ペーパーにしろ透過型液晶にしろ、紙とは質感が異なるし、それは見え方でもるし、手触りやパージ捲りの体感であったりもする。これはよくとりあげられる問題点であるが、実は小生はこの指摘には批判的である。要は慣れの世界なのだ。もっと言えば、電子書籍に慣れてしまえば、ちっちゃな字を拡大もできない紙媒体の方が、遥かに不快に感じられるのである。

 次に考えられるのが、コンテンツの質である。出版コストの低い電子書籍の場合、出版のハードルが極めて低い。ほとんど費用がかからないといっても過言ではない。つまり、誰でも出版が可能でだということだ。ここが実は非常に重要で(だと小生は思っている)、コンテンツの良否の判断が極めて困難なのである。出版のハードルの高い従来の紙媒体であれば、版元による厳正な審査の元、選ばれしコンテンツのみが流通に回る。つまり、我々は安心して書店に並ぶ本を買うことが出来るのである。しかし、電子書籍の場合は、これが成り立たない。では、これが致命的な欠点となって、電子書籍はとん挫してしまうのか?

 私が足りない知恵を絞って得た解は、電子書籍の普及のカギを握るのは、『公平な評価』だということだ。誰もの信用に値する公平な評価こそが、購入者の信頼を勝ち得、そしてそれが実現すればその利便性もあいまって、電子書籍は華々しい未来を迎えるに違いない。

2012年12月3日月曜日

アマゾンに一本化

小生の電子出版は、今後アマゾンに1本化することにした。理由は以下の5つ。

1.無料サンプルが、マゾンの規定により強制的に設定される。極めて公平なルールであろう。
2.アップロードした作品の完成状態を確認できる。
3.プラットフォームに依存しない、オープンな環境の提供。
4.各種ツールに対するサポートが迅速かつ適切である。
5.1~4を鑑みるに、今後電子書籍マーケットでの勝ち組となり、より広範な方々に読書機会を提供できる。

既述のように、スマートフォンやタタブレットでもまったく違和感なく読書が楽しめるし、購入に際しても、オンライン・ストアーとして最もポピュラーな(多くの人が既にアカウントを有している)インフラはきわめて有利であり魅力的なのだ。(書店にとっては脅威かも知れないけれど)

ワンダーランド 発売開始

アマゾンにて本日より販売開始。まずは、無料サンプル(右欄のリンクより)で試読を。

2012年12月2日日曜日

ワンダーランド、推敲完

 「ワンダーランド」の推敲終了。表紙の作成も終わり、アマゾンで出版手続き中。少し急いて乱暴な感は否めないが、深く考えるのは止めた。
 明日には販売開始になることだろう。



会議&懇親会で箱根へ。昨朝の旅館の窓からの景色。まだ紅葉が盛りで、和の趣が満開であった。


2012年11月26日月曜日

ワンダーランドから一節

発売間近の愚作、『ワンダーランド』から一節。

『レイ、悔しい気持ちはよくわかる。でも、憎しみからは何も生まれないよ。それでもレイが魔界へ堕ちると言うのなら、パパは止めない。でもその時は、パパもレイと一緒に魔界へ堕ちるからね』

キャッチコピーを再考

少し大げさだし、長すぎる気もする。
『渇きを癒す、珠玉のファンタジー』
に変えよう。

2012年11月25日日曜日

ワンダーランドのキャッチコピー

ワンダーランドのキャッチコピーを思い付いた。今回は表紙に帯を付け、このキャッチコピーを記すことにしよう。

『満を持して世に放つ、珠玉のファンタジー。忘れかけていた清廉な涙が、あなたの頬を濡らすに違いない。

2012年11月24日土曜日

路線変更、ワンダーランドを公開します

ハンターの発売を遅らせることにした。代わりに、「ワンダーランド」を先に発売します。推敲しながら、不覚にも目頭が熱くなってしまった。早ければ来週末、遅くとも再来週には公開。大人になって忘れてしまった、いや、合理主義と即物主義に揉まれて捨ててしまった「無垢な愛」を、おとぎ話にも似た幻想的なファンタジーの世界で描きます。乞うご期待。

2012年11月21日水曜日

新作公開!

来週末、愚輩の最高の自信作である「ハンター」をアマゾンにて発売します。テーマは、「愛」。不老不死と荒んだ資本主義経済を題材に、即物的価値観にメスを入れる、いや、入れたつもりの幻想小説です。買って下さいとはいいません。ぜひ、試し読みを!

2012年11月18日日曜日

電子書籍比較 その2

 電子版と間違えてポチッた小説がアマゾンから届いた。浅田次郎の「椿山課長の七日間」だ。そして読み始めてすぐに違和感を覚えた。ここのところ電子書籍しか読んでいないせいである。その違和感の最大の原因は、文字サイズだ。小さすぎるのだ。疲れて仕方がない。

※文字サイズは敢えて大きめに設定。もっと小さくても問題なく読める。

 違和感のもう一つは、これは確信はないけれど、おそらくコントラストだと思う。目を寄せなくて文字が飛び込んでくる電子書籍に比べて紙媒体の場合は、そう、”積極的に読みに行かないと読めない”といった感じなのである。そしてその違いは読書環境が暗くなる程に顕著になる。


 個人的には、もう紙媒体には戻れそうにない。

電子書籍比較

ふと思いつき、iPodで電子書籍を試してみることにした。驚いた。ぜんぜんいけるではないか。
※サンプルは愚輩の作品「出来損ないの天使」

使用しているアプリはKindleであるが、文字サイズも自由に変更できる。もう専用端末(小生が使用しているのは楽天のKobo)などくそ喰らえ、である。電子ペーパーに比べて反応は早いし、小さくて軽いし、解像度も高い。そして何より、「専用でない」ところが良い。

ちなみに、小生の保有する電子書籍が閲覧可能な端末を3種、並べてみた。
奥がiPad、左がKobo、右がiPodである。

Koboを買ってからというもの、紙媒体の小説は一切読まなくなった。それほど便利なのである。何十冊もの本をカバンに仕舞う必要のないことを考えると、革新的ともいえる。しかも扱いやすい。片手で持って、片手でページがめくれる。しおりも不要だし、意味不明な単語を調べる辞書機能までついている。
これは小生の勝手な予測であるが、近い将来、紙媒体の小説は激減するに違いない。音楽業界でのCDのように。

2012年11月17日土曜日

進化論と創造論

 最近、生物進化論に対する誤解が他見されるように感じる。進化論は、環境に順応しながら生物が変化していくことでは決してない。無作為に突然変異を繰り返しながら、たまたま環境に適合した者だけが生き残るという、いわゆる多様化と選別なのだ。
 仮にもし、環境に順応するのであれば、それはもはや進化論ではない。変化した環境に適合するように予め何らかの仕組みが組み込まれていなくてはならない。それはすなわち、創造論なのである。複雑な仕組みを組み込んだ何者かがいて、その何者かに想像されたと考えなければ、理屈が合わないのだ。
 僕はアンチ進化論者である。言い換えれば、創造論信奉者と言うことになる。その創造主が皆の言う神なのかどうかは知る由もないが、アルコールでどろどろに溶けた脳内を様々な妄想が駆け巡り、凡そ有り得もしない世界を夜毎徘徊しているのである。

2012年11月12日月曜日

「ハッピーリタイアメント」

浅田次郎の「ハッピーリタイアメント」を拝読中であるが、これまた秀作である。かたぐるしい表現とくだけた表現が、まるで二重人格者の脳内のように小気味良く入れ替わる。著者が狙ってやっているのは見え見えなのだが、そこに全く嫌味が感じられない。天才ならではの技なのである。この中で、過去に借金を踏み倒し、今は文壇の重鎮という作家が登場するのであるが、きっとこれは浅田巨匠に違いないと、勝手に決めた。

2012年11月10日土曜日

推敲は難儀である

アマゾンでの公開に向けて、二年前の作品を推敲中。今週末で仕上げるつもりだけど、かなり難しそう。

2012年11月4日日曜日

追憶の彼方

すえた臭いの滲みついた薄暗いジム、中綿もすっかり潰れてぺしゃんこになったグローブ。かつて僕は、キックボクシングという狭い世界の中で、貴重な青春の滾りをぶつける若者たちと共にいた。名誉や富とは無縁のマイナーなスポーツ、いや、スポーツという言葉などまるで似合わない、野暮で武骨な殴り合いだ。しかしそこで出会った若者たちはとても青臭く、か弱く、それでいてとても輝いていた。嘘の付けない、世渡りべたの愛すべき仲間たち。僕にしたって、今よりは少しはましだったかもしれない。強くなること、目的はただそれだけの世界で、お互いの魂を雄たけびを上げながらぶつけ合った。もう二度と戻ることのできない、古き良き、無垢な時代の想い出でである。


2012年10月28日日曜日

2012年10月24日水曜日

秀逸な比喩表現

何と言っても中島みゆきである。凄い、という感動と、とてもかなわないという絶望感。

『わかれうた』でいきなり冒頭から流れるフレーズ。
 ♪人ごとに言うほど黄昏は、優しい人よしじゃありません♪
さらに続く
 ♪別れはいつもついてくる、幸せの後をついてくる♪

これはほんの一例に過ぎない。曲に込められたすべての一字一句に無駄がない。どれひとつとってみても、下手なコピーライターなど足元にも及ばない。 

 -これも続く-

2012年10月21日日曜日

他人の意見に流されるというが

 日本人、特に最近の若者の欠点を表現する言葉として、「主体性のなさ」が取り上げられる。テレビや新聞、或いは周囲の人の大多数の意見を正論として受け入れ、自分で良否を判断しようとしない、というものだ。本当にそれが悪いことなのだろうか?
 確かに米国を代表とする狩猟民族系の諸国の人々は違う。しかし実はそれは心底に内在する驕りと利己主義が具現化したものであり、我々日本人にはあまりなじまない観念のような気がしてならない。
 植民地支配に奔走し、異なる文化を一切受け入れず自身の思想や習慣を強引に押し付け、今尚も彼らに同調しない国家や民族を弾圧し攻撃し続ける。自身の考えに自信と誇りを持つ事の結果が、これであるのかもしれないのだ。 -続く-

2012年9月8日土曜日

「地下鉄(メトロ)に乗って」

浅田次郎さんの「地下鉄(メトロ)に乗って」を読み終えた。言葉にできない余韻が後を引き摺る。爽快な感動と、自虐的な反省と、そして絶望感。前の二つの感情は、おそらくこの本を読まれた読者であれば同様に感じられたのではあるまいか。たったの三百ページ強の中に、これほどの人間の情の複雑さと美しさを詰め込むこの巨匠は、やはり天才である。なおかつ、現在のひ弱な我々日本人が忘れてしまった、「生きることの難しさと、嗚咽が漏れるほどの魂の叫び」、その大切さがひしひしと伝わってくる。
私の覚えた最後の感情、つまり絶望感は、作家を目指す自分にとっての絶望感である。もちろん、これほどの巨匠に嫉妬を感じる資格もない小職ではあるが、それでもこの作品の描き出す世界は、あまりにも衝撃的だ。百年経っても越えられない。読後と言うよりも、むしろ自分自身が永い、それも極めて永い旅を終えてきたときのように、切なくて、そしてほろ苦いセピア色の世界から抜け出せないでいるのだ。
未読の方がいれば、ぜひ読んでいただきたい。いや、読まなければならない。俗物主義に染まった我々日本人が忘れてしまった熱い世界、メトロがそれを教えてくれるに違いない。

2012年9月2日日曜日

「出来損ないの天使」 新規公開

ずいぶん前に書いた作品です。以下2か所のオンライン書店にて販売(100円)
(書店名をクリック)

Wook 
パブー

いったい何のために生まれてきたのか--私利私欲の道具として創られた一人の出来損ない、絶望の淵からようやく彼が見つけたのは――