今回は、日本語の文章を作成する上でのルールのお話です。「そんなの興味ないね、オレはオレのやり方で書くから」とおっしゃる御仁もいらっしゃるでしょう。気持ちはわかります。しかし、世の多くの読者はそうはお思いになられないのです。ルールというのは、読者がより自然に、そしてより容易に内容を理解するためのものであって、書く側の都合で勝手に決めるべきものではないのです。だからこそ、読みやすさを追求して出来上がった基本的なルールを守ること、それがとても重要なわけです。
とは言っても、守るべきルールがそうたくさんあるわけではありません。その数少ない基本ルールを以下ご紹介させて頂きます。
1.段落では改行し、次の段落の最初に一文字分のスペースを入れる。(字下げ)
商業出版でこれを守っていない文章はまずありませんが、Blogや投稿サイトなどではよく見かけます。この字下げをやっていない文章は極めて読み難いし、それ以前に、見た瞬間に読むのをやめてしまう人も多いと聞きます。今回ご紹介するルールのなかでも、最も重要なものと言えるでしょう。
2.三点リーダー(……)を正しく使う
三点リーダーというのは「…」のことで、けっしてドットを3つ続けて書いた(・・・)ものではなく、3つの点がセットで一文字になった特殊な記号です。日本語入力ソフトで「さんてん」と入力して変換すると出てくるはずです。この三点リーダーは「……」といったように必ず2つをセットで使います。例えば、
「なんということだろう……」
のようにです。(さも絶句した様子が伝わってきますね)
時にはさらにそれを2セット続けて使うこともあります。例えば、
「…………」
のようにですね。完全に絶句しています。
3.ダッシュ(――)を正しく使う
用法は先の三点リーダーと同じです。必ず2つをセットで使ってください。用途は特に決まっているわけではありませんが、小生の場合は主に、時間的なギャップを表現するのに使用しています。
それから3ヶ月後――
「――というわけで、彼は全財産を失った」
4.感嘆符や疑問符の後にはスペースを入れる。句点は付けない。
あれっ? どうも変だぞ。あーっ! なんてこった……
5.「(括弧開き)で始まる段落は字下げをしない
そうして彼の退屈な日常がまた始まった。それから三ヶ月後――
「あれー? おかしいなあ……」
彼は首を傾げた。
6.」(括弧閉じ)の前後に句点を入れない
×1.「いいねいいね、これいいね。」
×2.「いいねいいね、これいいね」。
○3.「いいねいいね、これいいね」
※1の用法は、じつはプロの方でも使われることがあります。でもそれは著名な方だからこそ許されるのであって、ゴミのような我々がそれをやったら、たんなる無知と思われるだけです。こんなところで個性を発揮するよりも、もっと他のことに力を入れた方がいいでしょう。(じつは2も使われることがありますが、あまり一般的な用法ではないので、ここではNGとしました)
以上です。えーっ、もう終わりかよ、とお怒りのあなた、そんなあなたに素敵な参考書をご紹介。そう、作文のバイブルとも言える、本多勝一氏著作の「日本語の作文技術」です。作文におけるさまざまなルールはもとより、句読点の効果的な使い方や、文章のリズムや文体等についても詳しく言及されています。
では今回は、これにて終了。
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