2017年3月29日水曜日

東芝によるウェスチングハウスの破産決定に思うところ

東芝が米国子会社ウェスチングハウス・エレクトリックの米連邦破産法11条(民事再生法に相当)の適用申請を決定したと報じられました。


東芝、29年3月期は1兆円の赤字見通し


これにより平成29年3月期連結決算の最終損益が1兆100億円の赤字となり、6200億円の債務超過に陥る見通しとのこと。
既報によれば東芝はメモリ事業の売却によって債務超過を解消する算段のようです。そのメモリ事業の価値については1兆円を超えであろうとかの話もあり、うまくいけば一気に債務超過を解消し、東芝の描く再起の青写真も現実味を帯びてくるような気もします。
しかしふと思ったのが、仮に1兆円で売却できても、債務超過は解消しないのではないか、ということです。どういうことかというと、0円のものを1兆円で売れれば確かに1兆円の利益が得られるでしょうが、そもそも同社のメモリ事業の簿価が0円であろうはずがないということです。しかしどんなにググってもそのことに触れたニュースが見当たりません。と思っていたところ、こんなのを見つけました。

(株)東芝の事業分割の対象となる関係会社が判明


この記事によると、同社が売却を予定している『東芝メモリ』の簿価は、

資産価値 = 資産合計7,537億円ー負債合計1,614億円 = 約6千億円

のようです。
つまり6千億円のものを売るわけですから、6200億円の債務超過を解消するためには、

6200億円 + 6000億円 = 1兆2千億円

でメモリ事業が売れなければならないことになります。
まあ僕がふとそう思っただけで、本当にそうなのかはこれから調べていきたいと思いますが、もしそうだとすれば、世間で言われているほど同社の再生は容易ではないように思うわけです。

ということで、今日はひさしぶりに独り言をつぶやいてみました。