2017年4月1日土曜日

東芝に関する新たな動き

先日臨時株主総会にてメモリ事業の分社化を決議した東芝ですが、ここへきてまた新たなニュースが飛び込んできました。
一つはどちらかというと良いニュースで、同社のメモリ事業の売却先を決める入札になんとグーグルやアマゾンも参加しているらしいというものです。

グーグル・アマゾン入札、争奪戦に…東芝半導体


これら資金力のある大企業が参加することで売却額がさらに高騰する可能性があり、先日Blogで書いたように債務超過を解消するのに必要な1兆2千億(※税金も考慮すると実際にはどうやら1兆5千億らしい)の資金を調達することも夢ではなくなりそうです。
これでなんとか最悪の事態は回避できたかな、と思っていた矢先、もう一つのとんでもないニュースが報じられました。
なんと今月11日が期限の決算発表(すでに2度延期している)が、また延期になるのではないかというのです。

東芝、決算発表3回目の延期の公算 監査法人が疑義=関係筋


まあこれだけの規模の会社となると、東証も延期を認めざるを得ないのではと思ってしまいますが、問題は決算の延期の理由です。

「監査法人側からの指摘で、15年度の決算見直しの必要性が浮上しているとみられている」

記事には明確には書かれていませんが、15年度の決算を修正した結果、もし仮に1年前にすでに債務超過になっていたとしたら大変な事態になります。なにしろ東証の上場廃止基準の「2期連続債務超過」に抵触してしまうことになるのです。16年度の債務超過で2部降格が決定している同社ですが、こうなるとそれどころの騒ぎではありません。
また仮に15年度の決算が債務超過でなかったとしても、もう一つの心配が残されます。それは先日発表した16年度の決算の赤字(東芝、29年3月期は1兆円の赤字見通し)がさらに膨らむのではないかという懸念です。そうなると債務超過を解消するのに必要な資金が1兆5千億円をさらに上回り、ますます再生の道が険しくなると言うことです。

いずれにしても、日本経済に多大なる影響を与えかねない同社の動向からしばらくは目が離せません。