2014年2月18日火曜日

景気や新作や次作や文フリのこと

 こんばんは、KDP界のガンジイこと、如月恭介です。どうやらまたパソコンが壊れてしまったようで、アマゾンの売上げレポートがピクリとも動かなくなってしまいました。殴っても蹴っても微動だにしません。まったく困ったものです。
 さて、今日は会社の帰りに散髪に行ってきました。駅にある例のキューピーハウスとかいう1000円のやつです。で店にチラしが貼ってあって、僕はもう愕然として我が目を疑いました。なんと4月1日から1080円に値上がりするというではないですか。それにしても解せません。消費税率の増加分は3%の筈です。なのになぜ8%も値上げ? たぶん皆さんのように算数に弱い人間を騙したつもりなのでしょうけれど、僕は騙されません。こうなったら断固ボイコットです。
 ということで、安倍さんの政策によって見事にデフレは脱却し、給料は上がらないけれど物価は上がるという、見事に美しいタグレーションを実現しつつあるようです。さすがっ!

 ところで皆さんはもう僕の新作『殺薔薇』をお読み頂けだでしょうか? え、まだ読んでいない? 今すぐ死んでください。で、巷で少しずつ書評をいただけるようになりましたが、みな一様に「大藪春彦」の作風をパクったように書かれています。とても心外です。なにしろ僕は、この大藪春彦なる作家の小説を一度も読んだことがないのです。だからパクりようもないわけです。
 で何が言いたいかというと、僕がパクったのは大藪春彦ではなく村上春樹だということです。「いいかげんにしろよおっさん」という声がどこからともなく聞こえてきましたね。とても哀れです。あなたには小説を見る目がまるでありません。心の中で念じるのです。「これは村上春樹の作品だ」と。何度も何度も念じるのです。そうすると、あら不思議、次第になんだかそんな気がしてきましたね。それでいいんです。

 次作は「エンジェル」という神話型SFファンタジーで、僕の得意とする分野です。じつは三年前に一度書いたやつで、それをプロットに使ってゼロから書き直す、といった手法で創作しています。だからペースもいつもより早く、すでに75ページほど書き終えました。遺伝子や神話に関するかなり複雑な話がからみあってますので、それをいかにわかりやすく噛み砕くか、が難しいところです。
 分野としては出来損ないの天使優しい悪魔と少し被りますが、以前の僕とは違う、ってところを見せつけてやりたいところです。まあその相手は数人しかいないわけですけれどね、悲しいことに。

 春の文フリには「除妖師I、IIセット」「殺薔薇」、そして「エンジェル」の三作で挑みたいと思います。今回はKDP界の暴れん坊紳士こと犬吠埼さんと、KDP界のハッスルボーイこと幻夜さんとブースを並べて出展することになりました。作風も年齢も性格もまったく異なる3人が並ぶというのも意外と面白いと思いますので、ぜひ期待していてください。

2014年2月12日水曜日

謝罪文 申し訳ございませんでした

 このたびは、皆さまにお詫びしなきゃならないことをやらかしました。
 新作「殺人は、甘く切ない薔薇の香り」でございますが、2月14日より3日間、無料キャンペーンを行うことになりました。

お、おい……期間限定の99円じゃなかったのかよ!

 すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません、すみません。

 じつは、売れ行きがさっぱりで、このままだと誰に読まれることなく儚くこの世から消えていく運命にありそうなのです。まあ仕方ないっちゃ仕方ないんですけど、作品があまりに不憫で……

 無料キャンペーンをやったからといって作品がよくなるわけでもなし、タダでDLした本を読んでいただけるのかどうかも極めて疑わしいんですけれど、まああれです、自己満足ってやつです。ですから、

 許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください、許してください。

 犬吠埼さん、佐藤和彦さん、SelfPub_botさん、皮算積人さん、その他21名の奇特な読者の方々(2月12日夕方時点)、ご紹介いただいたオススメでんしょさんやうらがわさん、ご恩は一生忘れませんし、皆さまの幸福をすっと祈り続けます。ですから99円はお守りを買ったと思って諦めてください。

まことに申し訳ございませんでした

 最後にどうしてこうなったのか、どうでもいい言い訳をさせていただきますと、当初はアマゾンの『KDPセレクト』というプログラムを適用しないつもりだったんです。理由は、アマゾン一択をやめて他のサイトでも公開しようと思っていたからです。(最近のAmazonを見ていると少し心配になることが多かったもんで……)
 そうすると、無料キャンペーンが張れないんです。ですから最低価格が99円になるんです。だから99円でしばらく販売して、その後で250円に、と。ところがこのザマです。僕の本をお金を出してまで買っていただける奇特な方などほとんどいないことを思い知らされました。そこで慌てて某所の無料キャンペーン祭りに参加することにしたんです。(キャンペーン終了後は250円にします

 言い訳にもなっていませんが、最後に重ねてお詫び申し上げます。

許してちゃぶだい!

 お寒いギャグで、本当に失礼いたしました。

2014年2月6日木曜日

売れない個人作家の心理の変遷

 猫にこんばんわ。如月恭介です。さて今日は、ついさっきふと思ったことを適当に書きます。
 最近思うのです。どうもここ一年、同じ事を繰り返しているような気が、と。そこで理論派の僕はそれを整理してみることにしました。

1.執筆を開始。(よし、大ヒット作を書いてやるぜ)
2.最初はノリノリ。(こりゃイケるぜ、ベイビー)
3.次第に疲れてくる。(早く終わんねーかな、このヤロー)
4.他の方の出版の話が耳に入り、焦りはじめてくる。(俺だってもうすぐ……)
5.ようやく完成、達成感に浸る。(ほんの数時間)
6.いよいよ出版。(反響が楽しみだぜ!)
7.どうも様子がおかしい。(全然売れねえし、噂にもならねえぞ……)
8.敗北宣言。(アーッ!)
9.気を取り直し、初心に返る。
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 僕の場合は3ヶ月に1作のペースで書くようにしていますから、これを3ヶ月毎に、すなわち1シーズン毎に繰り返しているわけです。そう、春、夏、秋、冬、年に4回です。そう考えると、とても趣深いですね。

バカですね。どうしようもないバカです

2014年2月3日月曜日

サルでも反省 ―次作こそは頑張るぜ―

どうしたんだよ、元気ないじゃん

 今回の新作では、自分の未熟さをつくづく思い知ることになったよ。とほほ……

今頃わかったのかよ

 言っとくけど、べつに手を抜いたとか、納得のいかないものを書いたいたとかじゃないぜ。

じゃ、なんだよ?

 いまだに自分の作品が面白いかどうかがわからない、そんな自分が嫌になっちゃったんだよ。いつもそうなんだ。面白いと思って書いても、じつはそうじゃなかったり、これは駄目かなと不安に思ってたやつが意外と評判良かったり。

評判が良かったことなんてあったっけ?

 だから、「意外と――」って言ってるだろうが、このオタンコなす! で、今回の「殺人は、甘く切ない薔薇の香り」も、僕的には十分面白いと思ってたんだ。でも、結果は推して知るべしさ。売上はいまいちだし、書評はまったく付かない有様だぜ。いわゆる★ゼロってやつさ。もしかしたら、それでなくとも希少な読者様まで裏切ってしまったかも。

そりゃまずいだろ

 うん。でも悩んでいてもしょうがないから、今回の作品のことはもう忘れて、さっそく次作の創作に取り掛かり始めたよ。次作ではもう一度原点に立ち返って、しかもこれまでの執筆で習得したあんなのやこんなのを遺憾なく発揮して、かつてないダイナミックで壮大な(当社比)SFファンタジーに仕上げるつもりだぜ。プロットはすでに出来上がってるから、四月末三月末までには完成させちゃうよ。だから希少な心温かい読者様、いま一度、僕にチャンスをくださいね。

以下が次作の概要です――


暫定の表紙(後日追加)




タイトル: エンジェル
副題:   ― 博愛の天使が人類を救う ―

【宣伝文句】

「除妖師シリーズ」のユーモアとペーソス、「殺人は――」のシュールでクールなマッドネス、それらを全て詰め込んで、個人出版界の異端児こと如月恭介が世に送る、神話をモチーフにした壮大なSFファンタジー

【内容紹介】

 ある日突然蔓延し、人類の存続すらをも脅かす奇病。世界中の科学者たちがその解明に手を焼く中、ある日本の遺伝子学者がその原因の糸口を見つける。ところが実はメリカではすでにその解明が進んでいた。しかもそれを軍事利用しようという陰謀が企てられていた。
 しかしそんな浅はかな人類をまるで嘲笑うかのように、その奇病にはもっと恐ろしい秘密が隠されていたのだ――

 数千年も前に神が仕組んだ壮大な罠、その鍵を握る博愛のストリッパー、彼女にぞっこんの新聞記者、奇病の謎の究明に執念を燃やす遺伝子学者、学会を追放された異端の考古学者――個性的な面々が織り成す人類救済の熱いドラマが、いまここに始まる。

 涙、笑い、怒り、感動、それらを全て凝縮した、著者渾身のSFファンタジー

以下、冒頭部分


神は申された
われわれに似せて人をつくろうではないか
彼らに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地上のすべての動物と、地上に這うすべてのものを治めさせようではないか

――旧約聖書 創世記 第一章 二十六――






「いやっほー!」
「ジュリアちゃーん!」
 薄暗い客席は年配の男たちで埋め尽くされ、左右の壁際には立ち見の客までいる。いつものようにトリの演技を終えると、ジュリアは裸の上に赤いフェイクファーのガウンを羽織り、客席に手を振りながら狭いステージを後にした。
「お疲れー」
 ジュリアが楽屋に入るなり、マリーが抱きついてきた。スイカのように大きな裸の胸をユサユサと揺らせている。
「マリーさん、ちょっと苦しい……」
 ジュリアが苦笑いを浮かべると、
「あっ、ゴメンゴメン。でもジュリアを見ると、つい抱きしめたくなっちゃうんだよね」
 マリーはそう言って、オタフクのようにふっくらとした顔に満面の笑みを浮かべた。そしてその太い腕からジュリアの身体を解放すると、楽屋の入り口を見ながら思い出したように言った。
「そろそろ押しかけてくる頃ね。大丈夫、あたいが守ってあげるから。矢でも鉄砲でもきやがれってんだい」
 マリーがその大きな胸を張ると、椅子に座って化粧を落としていた亜矢子が振り向いてからかった。
「そりゃそうだ。あんたが入り口に立ってるだけで、誰も入ってこれないさ」
 その途端、楽屋にいた五、六人の踊り子たちが一斉に吹き出した。ジュリアも笑っている。微塵の濁りもない向日葵のような笑顔だ。
 そうするうちにマリーの言ったとおり、楽屋の外が騒々しくなってきた。でもそれもいつものことで、踊り子たちは驚く素振りも見せない。
「また来たよ」
「ほらマリー、あんたの出番だよ」
 みんなそしらぬ顔をして鏡に向かって手を動かす。もちろんマリーも心得たもので、「はいよっ」とまるで食事の後片付けでもするように楽屋の入り口に向かった。
「ほらっ、ここから先は駄目だよ。渡すもんがあるならあたいがあずかっとくから、さっさと出しな」
 もうどっちが客だかわからない。もちろん客も黙ってはいない。
「なんだよ、またマリーかよ」
「なんだよとは、なんだよ!」
「いいから、ジュリアちゃんに会わせろよ。いるのはわかってんだよ!」
「うるさいっ! ジジイは家に帰ってコタツにでも入ってろってんだ」
「ジ、ジジイだと、このブタ女が!」
「ブ、ブタだって! ふざけんな、トンチキジジイが。お前なんて二度とこなくていいよ!」
 もう無茶苦茶である。もちろん今日に始まったことじゃない。そして見るに見かねたジュリアが寄ってきた。これもいつものことだ。
「ごめんなさいマリーさん。あっ、ゴンさん! また来てくれたの! 嬉しいっ!」
 ジュリアは透き通った目を輝かせ、子供のように弾ける笑みを浮かべた。
「ジュ、ジュリアちゃん! あ、当たり前だのクラッカーだぜ。ジュリアちゃんの行くところ、どこまでもついていっちゃうもんね、わし」
 ゴンさんと呼ばれた男――年の頃は五十過ぎといったところか――は、恥ずかしげもなくお寒いギャグを飛ばした。これもいつものことである。そして手にした花束を照れくさそうに前に差し出した。
「こ、これ――」
 日焼けした――いや酒焼けかもしれないその浅黒い顔が、スッポリ隠れるほどのでっかい花束だ。一万円は下らないだろう。
「ゴンさん、ありがとー!」
 ジュリアの澄んだ笑顔と全身で見せる喜びの表現が、それが営業目的なんかじゃないことを如実に物語っていた。おかげでゴンさんはもう心ここにあらずで、トローンとした目を宙に泳がせ、もともと締まらない口元をさらにいっそう緩ませている。
 でもこんなことじゃこの騒動はとても終わらない。ゴンさんの後ろには、まるで金魚の糞のように長い列が連なっているのだ。もちろんみんなジュリアの熱狂的なファンだ。そしてそれをさばくのは、やはりマリーの仕事だ。いや、仕事というと語弊があるかもしれない。なにしろ誰が頼んだわけでもなく、彼女が勝手にやっているだけなのだから。
「ほら、ちゃんと並んで。おいそこのおっさん、あんただよ、駄目だろ割り込んじゃ」
 客を客とも思わない横柄な態度のように思われるかもしれないが、客は客でこれを楽しみにしているのだ。
「こらぁマリー。邪魔だよおめえ。おめえがそこにいたら、ジュリアちゃんが見えねーだろうが」
 周りでドッと歓声が上がる。しかしマリーは怯む様子も見せない。
「うるさいよ、つんつるてん。ほらっ、プレゼントはあたいが受け取っとくから、さっさと渡してさっさと帰んな。あとでちゃんとジュリアに渡しとくから」
「盗むなよマリー」
 また笑いが沸き起こる。そんなことを繰り返しながら、三十分ほどでようやく客たちも引き上げた。



2014年2月2日日曜日

新作発表のお知らせ!


 犬も歩けば猫も歩く。こんにちは、KDP界のおじさんの足の臭い系作家の如月恭介です。さて、数少ない読者の皆さま、大変お待たせいたしました。いよいよ新作の発表です! 

えっ、待ってない?

 ろくでもないとんちき野郎ですね。さてタイトルはもうご存じですね。そう、

殺人は、甘く切ない薔薇の香り

 なんてシュールでクールなタイトルでしょう。そして実はその内容も、とてもシュールでクールなんです。書いた僕が言うのだから間違いありません。

えっ、信用できない? これまでも散々騙されてきた?

 とんでもない間抜け野郎ですね。騙される方が悪いんです。

 さて、皆さまにはもう一つ嬉しいお知らせがあります。なんと、発表を記念して特大セールを実施します! 250円のところを、身を切る思いで、99円で提供しようじゃありませんか!

えっ、角川の方がお買い得だって?

 もうあなたとは死ぬまで話をしたくありませんね。それでは少しその内容に触れてみることにしましょう。
 今回の作品は、大好評だった前作「除妖師」シリーズとは打って変わって、とてもシュールでクールな作品なんです。

えっ、もう何回も聞いたって?

 うるせーな、語彙力がないから他に言葉が浮かばねーんだよ、ボケッ! と、なんとか気を取り直して、作品の紹介に戻りましょう。
 今回の作品のテーマは、ズバリ、殺人です。おや、どこからかまた声が聞こえてきましたね。

まんまじゃねえかよ

 バカですか? 当たり前じゃないですか。だからタイトルにしたんです。えっ、早く内容を紹介しろって?

それは無理な相談ですね

 何度も言いますが、僕はとても忘れっぽいんです。というか、記憶力がほとんどゼロに近いんです。だから何を書いたのか、もうすっかり忘れてしまいました。これ以上僕に訊くのは無駄というものです。どうしても知りたい方がいらっしゃるなら、99円を払ってアマゾンで買っていただくしかありませんね。

 ということで、KDP界のおじさんの足の臭い系のラストランナー、如月恭介の新作、よろしくお願いいたします。

※こちらでサンプルもすぐに読めます

 http://www.yoake.net/Murder-sample.html