2017年11月6日月曜日

パラダイス文書とは?

 今朝突然この言葉が目に飛び込んできました。
パラダイス文書》? ?(゚_。)?

 いったい何でしょう? パラダイス? なにやら魅惑的な香りがしますが……
 どれどれ、と調べてみると…… (゜Д゜)

 なんとタックスヘイブン(租税回避地)に設立された会社に関する内部文書が、法律事務所などから大量に流出したというではありませんか。その数なんと1340万件!

あれ(・ω・) 、どこかで聞いたような話だな……

 そう、昨年のあの事件に似ていますね。パナマ文書。あのときも大騒ぎでしたが、いつの間にか話題にならなくなってしまいました。ところがそこへきてこの事件。著名人やお金持ちも安心して寝ていられませんね。
 ところでなぜこれが大事件なのでしょう。理由はいくつかありますが、主なものとしては以下が考えられます。

1.課税逃れ
2.違法な、あるいは非常識な資金の流れ。あるいは資金洗浄。

 1は単純ですね。なにしろ「租税回避地」と言われるくらいですから、もっとも広く利用されている目的がこれなのです。ところでここで敢えて「脱税」と書かなかったのには理由があります。それは、これらの中には合法的なものもあるし、そうでないものも、簡単には黒と決めつけられない複雑な事情があるからです。(より詳しく知りたい方は、後述する拙著《日はまた昇る、君の心に》を読んでみるのもいいでしょう)
 いずれにしても、特に為政に関わる者にとっては、課税逃れの疑惑は、政治生命を脅かすほどの致命傷にもなりかねません。

 そしてじつは1と同等に、あるいはそれ以上に重大なのが、2なのです。
 これはどういうことかというと、知られたくない、知られると非常にまずい取引を、このタックスヘイブンを介して行なっているケースが多々あるのです。なぜかというと、ここタックスヘイブンでの取引は厳格な秘密主義の下に情報管理がなされており、(通常は)それが外部に漏れることがないからなのです。逆に言えば、もしそれが漏洩でもすればたいへんなことになるのです。たとえば政治家による敵国の企業への違法な出資。たとえば贈収賄に関わる資金移動。あるいは(中国等の共産国から)国外への私財の違法な移動、等々。(より詳しく知りたい方は、後述する拙著《日はまた昇る、君の心に》を読んでみるのもいいでしょう)

 とにかくまだ事件は始まったばかりで、これから次々と新たな事実が明るみに出て、そのたびに世論を賑わせることになるに違いありません。
 皆様におかれましては、それに備えて、以下の小説を読んで事前勉強をしておくのもいいかもしれません。


【あらすじ】

 沢井祥子は今をときめく人気週刊誌『ジャパン・ウィークリー』の記者である。東京都知事の公金横領の疑惑を追っていた彼女の元に、新たな仕事が舞い込んでくる。
 タックスヘイブンの法律事務所から漏洩した顧客リストの調査――
 世間を揺るがす一大スキャンダル――しかしこれは、それから起こる数々の大事件の序章にしか過ぎなかった。
 脱税、横領、粉飾決算、法令違反――相次ぐ不祥事と、それに続く不可解な企業買収。その舞台裏に、彼女はある男たちの存在を知る。そしてそこには誰も想像しなかった驚くべき秘密が隠されていた――

【作品概要】

 粉飾決算、横領、脱税、法令違反―― 世間を騒がす企業不祥事の数々。しかし皆の目にする報道はおよそ事実とはかけ離れた虚像にしか過ぎない。 
 ニュース等では語られない生々しい経済の実態。 
 利益至上主義を正当化するための現代資本主義、それを構築し維持する資産家や権力者、あるいは既得権益者たち。遠心分離機にかけたように富は二極化し、道義や誠意は、拝金主義の下に蔑ろにされる。
 本作品は、架空の経済・社会小説である。と同時に、経済・社会の矛盾に焦点を当て、その矛盾に果敢に立ち向かう人たちの熱き姿を描いた、人間ドラマでもある。

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