ここ最近はずっとSFを書いていますが、今回も例に漏れずSFです。SF的なテーマとしてはパラレルワールド、人間的なテーマとしては自由といったところでしょうか。
これまでの小生の作品と大きく違うところは、その構成です。今回は2つのドラマが平行して進行します。全く異なる時空の2つの世界、しかしこれだけだと2つの作品をただ並べて書いただけになってしまいます。
今作では、その2つの世界が少しずつ干渉を始めます。それそれ別の世界に生きる2人の男、彼らの夢と現実が、複雑に混信(Cross talk)をし始めるのです。そしてそれぞれの夢の世界がどんどんリアルさを増していき、いったいどちらが現実だかもわからないほどになります。しかもその2人の世界が干渉を始めたのは単なる偶然ではなく、じつは理由があったのです――
作中では生体電子機器や戦闘機が登場します。円盤やロボットも登場します。一方で、政財界をあげての不正、その不正を暴くハッキング行為等々の、現代社会的な事件も満載です。
ネタバレにならないように内容紹介はこれくらいにしておきますが、従来作品に比べてより速いテンポで進むダイナミックなストーリーを、是非お楽しみください。
なお、いつものように前編は無料です。
それでは最後に宣伝文句を――
ミッドナイト・ブルー
二人の男がいた。まったく異なる時空に生きる、二人の男が。
一人は、自分のことが想い出せないでいた。どうしてここにいるのか、どうして戦っているのか――
また一人は、すっかり生きる気力を失っていた。惰性で生きる怠惰な毎日、いったい何のために生きているのか――
あるとき、二人は夢を見た。お互いの世界の夢を……
過去と未来、夢と現実、
自由を失った世界、これから失おうとしている世界、
異なる二つの時空が交錯するとき、それぞれの世界が音を立てて変わり始める――
拝金主義に支配され、あらゆるものの価値が、いや人間の存在そのものの価値までもが、その「対価」で計られる世界、
プライバシーの保護を建前に、都合のいい情報操作に奔走する権力者たち、
そしてその罠に見事にはまりながらも、まるで気がつかない愚衆――
贅沢な暮らしと引き替えに失う自由、目先の享楽と引き替えに失う自由、知らないうちに侵食される自由……
一方の世界には、かつてヒーローがいた。自由を取り戻そうとして戦い、潔く散っていったヒーローが。
そしてまた一方の世界には、新たなヒーローが生まれようとしていた。失われつつある自由を守ろうとするヒーローが。
夢と現実の中で同時に進行する二つの物語――
しかしそれはけっして過去と未来ではない。
それぞれが独立した、まったく異なる次元の世界のドラマなのだ。
そしてそれぞれの世界がふたたび離れ始めたとき――
人々は思い出す。自由に思い、自由に行動し、そしてただ生きることの、歓びを。
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本作をジュリアン・アサンジ氏と、世の心あるハッカーたちに、敬意を込めて捧ぐ。
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ミッドナイト・ブルー
前編:100ページ
後編:270ページ
※40文字x16行換算
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