実はまだたったの1年なんですね。言われるまでまったく気づきませんでした。それにしても、とても長い一年でした。電子書籍に対する過剰な期待から始まって、そして挫折を経験し、今は次第に落ち着き場所を見つけ始めているといったところでしょうか。いずれにしても、紙や電子を問わず、出版という業界そのものが縮小していることだけは間違いないのではないでしょうか。
読者の数は限られていて、各人が読む書籍の数にも限りがある。数的なパイがさほど変わらないのに、消費者単価はどんどん下落する。市場が縮小するのは当たり前ですね。そして当たり前のようにその被害を被るのは、物理的媒体に関わる人たち、すなわち、印刷・製本・販売店の人たちでしょう。
とても寂しいことです
でもこれだけはどうしようもありません。結局は、音楽業界の辿った道をなぞるようにして突き進んでいるということなのでしょう。
そんな中で、僕たち個人作家はどうなっていくのでしょうか? 聡明期とも言えるこの一年は、とても素晴らしい年でした。かつては誰にも読んで貰えなかった本が売れ、各所で書評を貰い、この先のバラ色の世界に夢を馳せた年でした。でも僕は、
それもそう長くは続かない
と思っています。電子化による価格下落で、次第に商業出版の作品と個人出版の作品との価格差は縮まっていくでしょう。そんな中、限られた時間で読む本を選ぶ上で、敢えて無名の個人作家の作品を手に取る人は、ごく少数なのではないでしょうか。実際、最近はそういう雰囲気が感じられるようになってきました。例えは悪いですが、ジャンクフードに飽きて、そろそろまたレストランに戻ろうかな、といった。
でも、個人作家が活躍できる可能性がないわけでもないと思います。鍵を握るのは、僕は評論家だと思っています。特定の利権に染まらず、無理に持ち上げることもせず、思ったことをズバッとストレートに切り込む。読者はその書評を読み、納得した上で個人作家の作品を読む。この納得感が信頼を生み、マニアックな探究心がニッチなマーケットを創造する。そういった中からブレークする作家や作品も生まれ、それがまたそのニッチ市場を刺激する。
だから、この場を借りて是非ともお願いしたいのです。読書好きのあなた、斜め視線の嫌な奴のあなた、
今こそ、個人作家の評論家として大成するチャンスなのです
ブログをつくって書評を書いてみてはいかがでしょうか? 個人作家の作品を評論する人はまだ少数です。今こそが、いや、今しかありません。もちろん結果の責任は負いませんし、僕の作品の悪口だけは書かないでくださいね。
――結局それかよ・・・やっぱり、最低な奴だな
小説書くのをやめて、評論家になろうかと思い始めた如月でした。
0 件のコメント :
コメントを投稿