2014年11月30日日曜日

「色」を用いた色々な慣用句 #言葉のお勉強

 さて今回は、標題のとおり「色」という文字を使った表現、その中でも特に人の表情や、さらにはその奥に潜む感情を表わす慣用句についてです。

 ではここで質問です。あなたは彼女とのデートをすっぽかし、その上謝るどころか、「てめーみてえなあばずれとデートなんて出来るわけねえだろーが!」と悪態をつきました。すると彼女は顔を真っ赤にして激昂しました。このときの彼女の様子を、「色」を含む慣用句で言い表してください。

 答えは、そう、「色をなす」ですね。いわゆる、ムカつくってやつです。

 では続けて第二問。あなたは自動販売機でジュースを買おうと、ポッケから財布を取り出しました。そして百円玉をつまんで、震える手でそれを挿入口に運びました。ところが。。。アーッ! なんと百円玉が滑って落ちて、地面を転がり、排水溝の中に消えてしまったではありませんか! このときのあなたの様子を、「色」を含む慣用句で言い表してください。

 答えは、もうおわかりですね。そう、「色を失」です。

 では最後の問題です。毎日ブラブラ無為に過ごしていたあなたですが、両親に責められ、渋々仕事を探すことになりました。そして応募した会社の面接が、いよいよこれから始まります。さあ、気合いを入れて、凜々しい姿で臨みましょう! と、このときのあなたの様子を、「色」を含む慣用句で言い表してください。

 はい、そうです。「色を正す」です。

 とまあ、色を使った色々な慣用句をご紹介させて頂きましたが、まず僕は、これらの表現を使うことはありませんね。理由は簡単、直感的でない、からです。

「彼女は色をなして責め寄った」

 なんだか言葉が浮いている感じがします。これならば、「彼女は顔を真っ赤にして、唾を飛ばした」のほうが、臨場感に溢れていていいじゃないですか。少なくとも僕はそう思うわけです。まあ、美しさという点では、前者の方が勝っているのかもしれませんが。

「僕はスピーチを前にして、色を正した」

 こうなるともう、何を言っているのかさえよくわかりませんね。僕だったら、「僕はスピーチを前にして、無理やり真顔をこしらえた」と書きたいところです。

 とまあ最後の最後に、あまり役に立つことはないだろうという、とても残念な落ちになってしまいました。

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