2013年11月23日土曜日

偽装の放置に憂う、おっさんの戯れ言

 最近話題の食品偽装。ニュースを見る度に絶望感にうち拉がれている今日このごろです。
しかも巷では、騙される側の問題点(ブランド指向)を論じたり、騙されないように偽装食材を見破る方法を説明したりと、まるでとんちんかんなことに焦点を当てる馬鹿者まで現れる始末なのです。

なんと情けない・・・

 問題は偽装食品を騙されて買ってしまった消費者の損失にあるわけでは決して無いのです。そんなことは容易に騙された自分を恥じ入れば済むことです。
 じゃあ何が問題なのか? それは、嘘をついた者勝ちという、極めて民度の低い文化を助長していることです。実際に食品偽造は数年も前から行われていたわけで、高価な食材を正直に使用していた業者は、当然不利な競争を強いられてきたわけであり、この不況の中で営業を諦めたところだってあるかもしれません。とんだ不公平です。
 もちろん、嘘をつきたくなる気持ちもわからないわけでもありません。なにしろ、誰も彼もが嘘をついて安い材料を使っているのですから。自分たちだけだ正直にやっていたらとても競争には勝てないわけであり、利益至上主義の経済論理に乗っ取れば嘘もつきたくなろうというものでしょう。じゃあ何が問題なのか? 答えは簡単です。

偽装を野放しにしてきた行政であり、監督義務を怠ってきた消費者庁です

 勝手に嘘をついて好きにやってください、と言わんばかりの野放し状態。さらに驚くべきことは、これだけの大問題(もはや国内に留まらず、海外でも日本神話が崩壊しつつある)になっているにも拘わらず、未だに偽装の有無を自己告発に頼っているということです。企業の自浄努力に期待するのだそうです・・・

バカです。ほんとうのバカです

 正直者が損をするという最低の文化を増長していることに、まるで気づいていないのです。あちこちでメニューの書き換えや過去の偽装の隠匿がこっそりとが行われていることを、この鈍感なおっさん達は知っているのでしょうか?
 消費者庁に比べれば税務署は極めて立派な仕事をしていると思います(もちろん好きではありませんけれど)。針の穴をも見逃さない、ときには穴が無くてもあると言い張る、あの職務に対する責任感は半端じゃありません。しかも見つかったときの罰則がとてもきつい。だから企業は常日頃から脱税を犯さないように神経を尖らせているのです。意図的で無くとも、仮に処理を間違えて結果として脱税になってしまっても、誰も許してはくれません。誤表示でした、などとしらを切ることなんて決して許されない、とても厳しい世界なのです。
 こういうところは、是非とも消費者庁にも見習って欲しいものです。場合によっては税務監査に同行するのも良いかもしれませんね。仕入れから販売まで取引証憑をくまなくチェックするわけですから、偽装なんて容易く見破ることが出来るでしょう。

 ということで、きょうはとても堅い話になってしまいました。皆さんも、嘘だけはつかないように気をつけましょう。と言うことで今日は――

ちょっと待てよ、おっさん!

 な、なんでしょうか?

嘘ついただろ

 へっ? な、なんのことですか?

知ってんだよ。3ヶ月以上も前に出版した本を、『新着』って嘘ついて出し直しただろう

 ち、違うんです。あれは、システムのせいなんです。価格を変更したら、勝手に発売日がリセットされちゃって、それで・・・だから、あれは嘘じゃなく、誤表示なんです。

おめえもあのおっさんと変わらねえじゃねえか・・・

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