2013年8月13日火曜日

パシフィック・リム

 本日、念願の映画鑑賞の夢が叶った。そう、パシフィック・リムである。怪獣とロボットの映画である。劇場まで家から徒歩で15分、こんな恵まれた環境にありながらも、足を運ぶのは久しぶりのことだ。部屋で独り映画を観るのが好きな僕は、基本的にはWOWOWでしか観ない。でも今回は違う。とても待ちきれなかったのだ。

 映画館は、とても空いていた。いや正確には、パシフィック・リムの上映館内は空いていた。なにしろ、劇場自体は結構混み合っていたのだから。あれである、「風立ちぬ」だ。

 一歩館内に足を踏み入れると、その異様な空気に圧倒される。まばらに埋まった席に座っているのは、その多くが(人のことは言えないけれど)いい年をしたおっさんであり、それも独りで観に来たおっさんなのだ。(わかる!)と思わず声を出して叫びたくなるような光景なのだ。

 さて、いよいよ本題。最初に断っておくけれど、この映画はあまり事前知識を持たないで観た方がいいと思う。かく言う僕も、色々とネットを徘徊して余計な情報を得たせいで、驚きが半減したことは否めない。でも、それでも十分に愉しかったわけであるが――

 物語は、いきなりトップスピードで入る。えぇーっ、と驚きを隠せなかったけれど、時間が経つに連れ、実はそれがトップスピードではなかったことに気づく。この作品のスピード感は、半端じゃない。
 垂涎ものの見事な映像が目にも留まらぬ早さで駆け抜けていき、貧乏性の僕などは、それがもったいなくてしょうがない。

 これから観る人のために敢えて内容には触れないでおくけれど、とにかくおっさんにはたまらない映画である。カッコいいロボット、迫力のある怪獣、そしてとてもシンプルなストーリー。この映画に蘊蓄などは必要ない。とにかく童心に帰って愉しむ、それが出来る大人のためだけの、最高のエンターテイメントなのである。

おまけ)
 実は上映途中でアクシデントが起こった。突然字幕が出なくなったのだ。いったい何を喋っているのか、もうまるでわからない。きっと僕だけではなかったはずだ。でも誰も騒がないし、動こうともしない。僕にはその気持ちがよーくわかった。スクリーンから目が離せないのだ。でも一人の勇気ある人が立ち上がり、場内から出て行った。しばらくすると係員が現れ、トラブルを詫びて、そこでいったん上映は中断した。そしてそれから5分後くらいに、字幕の消えたシーンからまた上映が再開した。僕はほっと胸をなで下ろし、ふたたび映画の世界に没入した。
 上映が終わり場内を出ると、係員が皆に何かを配っている。まさか――と思ったけれど、そのまさかだった。なんと中断したお詫びに、無料招待券を配っていたのだ。
 結局、あの素晴らしい映画をただで観たことになる。

 素晴らしいぞ、109Cinemas!

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