2013年9月15日日曜日

音楽を聴きながら思う、美意識の不思議

 久しぶりに喜多郎さんのシルクロードを聴いて、すっかり心が洗われてしまった如月です。

 ということで、今日は音楽について戯れ言を少し。

 じつは長い間ずーっと不思議に思っていたことがあります。

 どうして人は音楽に惹かれるのだろう?

 素敵な曲を聴くと、なんて美しいんだろうと感動し、心に染み入る歌詞に思わず涙を流す。僕には不思議でならないんです。音楽なんて結局はただの音に過ぎないし、食べ物なんかと違って、それが直接僕らの肉体に恩恵をもたらすわけでもないし――。じゃあなぜ?

 一時期僕はそれを経験と結びつけて、無理やり自分を納得させていました。そう、あのパブロフの犬です。ある種の音楽を聴いて良いことがあったり、或いは逆に、良いことがあったときにある種の曲を聴いたりします。するとそれを繰り返すうちに、それと似た音楽を聴くと、ある種の酵素が分泌され、気持ちをハイテンションにしたり、或いは落ち着かせたり、はたまた深い感動を沸き上がらせたりするわけです。
 そう考えると、もしかすると美男美女を美男美女と思う理由も同じなのかもしれません。ドラマやアニメのヒーローやヒロイン、それが美男美女であり、悪役や卑劣な役どころに共通する容姿が、すなわち醜男醜女。つまり僕たちの美意識というものは生まれ持ったものではなくて、後天的に、経験の中で培われてきたものなんですね。

 本当かよ、おい

 黙ってろボケッ、とは今日は言いません。なにしろ僕もそのことに疑問に思っているのですから。
 お子様のいらっしゃる方には、きっと経験があるに違いありません。幼い子供を笑わせるときに、両手で目尻を引っぱってひょっとこのような顔をしますよね。あるいは鼻の頭を持ち上げて豚のような顔を作ってみせます。たいていの子供は笑います。それでも笑わない子供は、まあ、よっぽどのひねくれ者でしょう。

 将来がとても心配です

 逆もしかりで、おいたをしたときには、眉間に皺を寄せ、鬼のような表情をつくってみせます。たいていの子供はそれを見て泣き、二度と同じ過ちは犯さなくなります。えっ、何度やってもやめない?

 とても残念です

 でも守ってあげるのは、親しかいません。温かく見守ってあげてください。

 で、なにが言いたいかと言いますと、ドラマやアニメの甘いマスクが僕らの美意識を培ったんじゃなくて、もともと生まれながらにそう思っていることを、ドラマやアニメで表現しただけじゃないのか、と。
 だから、もしかすると美しい音楽もそうじゃないのかと、つい思ってしまうのです。

 もしそうだとすると、僕らの遺伝子の中には、遙か太古から受け継がれてきた美意識というものが、どこかにひっそりと隠されていることになります。

 だったらどうなんだよ――

 もちろん、今日も答えはありません。そもそも、そんな難しいことを僕に訊くだけ無駄というものです。なにしろ今日も、ビールをチェイサーにウィスキーを飲んだくれている、

 ただの酔っ払いですから

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