「今日飲まなくていつ飲むんだ」と、土曜日出勤を終えた僕は無理やり理由をつくって、今日も泥酔モードです。といっても、いつもほどには、愉しくはありません。つい今しがた見終えたトータル・リコール (2012年リメーク版)のせいで、とても虚しい気分に浸っているのです。
リメークじゃなくて、改悪じゃん……
とそんな愚痴はおいておいて、昼は会社、夜は酒に映画にブログ。このおっさんはいったいいつ小説を書いているのでしょうか? 答えは言うまでもなく、
ちっとも書いていませんとも!
いばるなよ、じじい……
と前置きはこれくらいにしておいて、今日の話題は、緊迫したシリア情勢が世界経済にもたらす影響――
うそです。ちょっとかっこつけたかっただけです
気を取り直して本題へ。今日の話は、耳です。
えっ、どうして耳なの? よくぞ訊いてくれました。それを説明するには、今日の僕の会社での経験からお話をしなければなりません。
今日は朝から会議でした。いつものように最後列に陣取り、何かを悩むような難しい顔を無理やりつくった僕は、さっそく船をこぎ始めました。そしてしばらくして、まるでナイアガラの滝から落ちるような衝撃に、思わず目を覚ましたのです。そのとき僕の霞んだ視界に、みんなの耳が見えました。誰にも彼もにも、横に出っ張った耳がくっついています。まあ当たり前のことなんですけれど、それをただ当たり前だと思っていたら、せっっかくの人生が愉しくありません。
いや、別に愉しいけど……
「…………」
もう少しで椅子から転げ落ちるところでした。と、気を取り直して、凡人の意見は無視して話を進めさせていただきます。
さて、耳ってやつは、もちろん音を聞くためにある器官です。そしてそれは、とてもよくできているのです。集音に最適化された朝顔のような形状、周波数を的確に捉える、プルプルした質感。実によくできています。まさに長い年月をかけて得られた進化の賜でしょう。
まあ、普通であればこれで納得してしまう話なのですが、すっかりボケてしまっている僕は、はたと疑問に思ったのです。
おかしいじゃねえか――
何がおかしいんだよ? はい。それは、進化論です。皆さんよくご存じのダーウィン。あのガラパゴスです(ガラケーとはまったく関係ありませんよ)。
ダーウィンの唱えた進化論、つまり自然選択説の基本は、突然変異がもたらす多様性と選択、です。耳に例えるならば、よく聞こえるように目的を持って進化したわけじゃなくて、突然変異を繰り返すうちに、たまたまよく聞こえる耳の形状を持った種が存続した、と言うことなのです。
ほんとかよ……
と、思わず言いたくなるのは、僕だけじゃないはずです。乱数表を回してランダムに突然変異を発生させれば、頭の上や、足の裏に耳のある人間が生まれるかもしれません。形にしてもそうです。蓮のようにでっかいやつや、ラッパのように出っ張ったやつがいてもおかしくはありません。でも、誰の耳も、みんな同じ場所についていて、おんなじ形をしているのです。ダーウィンの説に従えば、少しでも違った者は淘汰されてしまったことになります。
おかしいでしょ、ダーウィン先生
そもそも、お腹に耳がついてる人間の化石や、ラッパの形をした耳を持った人間の化石なんて、見たこともないですから。
じゃあ、お前の意見はどうなんだよ?
よくぞ聞いていただけました。ありがとうございます。僕の意見は、百年も前から変わりません。”多様性と選択”なんてまったくの戯れ言で、真実は、
プログラム
なのです。最初からそういう耳になるように、遺伝子に、誰かがプログラムしていたのです。お尻に耳のついた人間が淘汰されたんじゃなくて、そんな設計図がもともとなかっただけなのです。
バカだとお思いでしょうが、実際、バカです。毎晩こんな妄想を膨らませながらニンマリと宙を見つめる、とても危ないバカです。しかも黙ってりゃ良いのに、つい、口が滑ってしまうんです。でも、悪気があって言ってるわけじゃないんです。だから、
ぜったいに警察などには、通報しないでくださいね
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